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米津玄師とハチ 別人説3

マトリョーシカ


なんか5月は色々あって更新をサボってしまい約1ヶ月ぶりの更新となってしまいました。

前回記事でリンネリリースまでの部分をニコ動見て思い出しながらつらつら書きました。

悲しげで、どこか不安定なそれまでのハチの音楽性は、ゴリゴリとしたバンドライクなサウンドへと変化していきました。



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ハチとボーカロイドの終点

リンネリリースで(私に)とてつもない衝撃を与えたハチが間髪入れず1ヶ月としないでリリースした作品。


ハチというよりもボーカロイド界隈の代表作と言っても過言ではない大作となりました。


リンネではゴリゴリのバンドサウンド故にハチらしさがかえって後ろに隠れてしまっていた印象があったものの、この曲では従来の音使い(とち狂ったドラム、グロッケン音など)を根底に据えながらもギターのカッティングやリフが全面に出たバンドフィーチャーなサウンドに仕上げられています。


このころのボカロ界隈はニコニコの外のメディアからの注目も非常に高かった時期で、それに応えてか否か界隈全体の音楽の方向性がある程度定型化されつつあった時期だった印象がありました。


それへのアンチテーゼか、はたまたハチ自身もその流れを汲んである程度同調しようと思ったけど結果全く違うものができてしまったのか(曲を聞き返して色々考えたのですが、個人的にはどちらかというとリンネ以降は後者のスタイルだったのでは、と最近は考えたりしています。)とにかく今まで聞いたことないような新しい世界観を提示した曲だった気がします。


1分25秒あたりからが危うい、ヤバイ、GUMIの歌とギターリフが真正面からケンカしている


ただそれが奇をてらったで不協和音などではなく、ハチ独特のバランス感覚で一曲の中にしっかりとパッケージングされているのがすごい。
この感覚でトリップを経験したファンにとって米津玄師デビューアルバム(diorama)は本当にタマラナイ


個人的にはサビの転調の作りが若干ザツな印象があったり、メロディ職人のハチとしてはちょっと音の運びが物足りなかったりと別の意味でハチらしくない面もあったものの、サウンド的には後のパンダヒーローやらメジャーデビューやらに続くバランス感覚はこの曲で完成させられたものと考えてしまいます。


そういった意味で、その再生数や知名度以上に、ハチの音楽の変遷を考える上で大きな意味を持った楽曲でした。





最高傑作「OFFICIAL ORANGE」

マトリョシカの熱が冷めきらぬ最高のタイミングで2ndアルバムのリリースが発表されました。



当時このクロスフェードをどれほど再生したことか、


まず1曲目からすごい!CD発売後の年明けに動画がアップされたパンダヒーローはこの頃は未発表曲扱いでフルがどんななのか気になってしょうがなかった記憶があります。


他にも白痴やらハチ自ら歌唱している曲やら色々と好きな曲はあるのですが、とりあえずそれは置いておいて、このCDのすごいところはこれまで語ってきた「ハチ」の音楽の変遷が凝縮されていること。
それは当時以上に、今にこそ聞き倒す価値のあるアルバムになっていると思います。


ハチの音楽がマトリョシカやパンダヒーローへ至るまでの軌跡をこの一枚で見ることが出来る、ハチのボーカロイド活動のBEST版と言っても差し支えない濃厚な内容です。


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やっぱりすごいパンダヒーロー

このアルバムの一曲目で後に動画付きでアップされた作品。一度米津玄師のライブでもセルフカバーしているのを見ました。すごくヨカッタ(小並感)



この曲、サウンドもめちゃくちゃカッコイイのだけどとにかく歌詞がすごくイイ

(パンダヒーロー歌詞引用)
廃材にパイプ 錆びた車輪
銘々に狂った 絵画の市
黄色いダーツ板に 注射の針と
ホームベースに 縫糸の手

お困りならばあいつを呼べ
送電塔が囲むグラウンド
白黒曖昧な正義のヒーロー
左手には金属バット

ノイズだけ吐いて 犬ラジオ
フラフラにネオン バニーガール
相場はオピウムの種一粒
奥の方に呑まれていく

「一つ頼むぜ、お願いだ」
カラカラの林檎差し出して
何でもないような声で愚図って
さあ 何処にも行けないな

パッパッパラッパパパラパ
煙る 蒸気 喧騒の目
パッパッパラッパパパラパ
ここで 登場 ピンチヒッター
パッパッパラッパパパラパ
あれは きっと パンダヒーロー
パッパッパラッパパパラパ
さらば 一昨日 殺人ライナー




前回記事でも言及した通りやはりハチ自身からの世界観の説明はなくなっており、解釈の手がかりは無造作に置かれた言葉たちと後にリリースされた動画のみ。


それによってか、ネットをフラフラ見てると色々とこの歌詞の解釈があるようですが、(パンダヒーローは薬物中毒者でどうのこうの、など)この歌詞のすごいところはそういう細かい考え抜きに、曲を聞きながら耳に入ってくる単語を単発的に理解するだけでも曲の世界観やストーリーが構築されていくところ。
そしてその言葉の使い方に説明臭さやくどさが全くなくすごく気持ちいい。


歌詞は人を感動させるような物語や展開を語るものではなく(それでは小説になってしまう)、メロディに乗って言葉が聞き手の脳に解釈されるまでをどれほど気持ちよく設計できるのか、をまず念頭に置いて言葉をデザインするものでなくてはならないと思うのですが、まさにこの曲はそんな「歌詞の喉越し感」がすごく気持ちいい。


冒頭からサビ前の「さあ、どこにも行けないな」までの歌詞でこの曲の退廃的な世界観と主人公のヒーローの役割やちょっと消極的で後ろ向きな人柄までが語られています。
このサビ前でちゃんと物語を主人公がバッターボックスに立つ手前まで展開しながら、サビ前ではこれまで沈黙をしていた主人公の心の声(ぼやき)がいきなり挿入されるらへんもスゴイ。
曲と歌詞との演出がが映画的に作り込まれていて、サビ前の一文で一気に聞き手を曲の展開に集中させています。


かと思ったら曲の中で最も重要なサビ冒頭部分の歌詞を「パッパッパー」にしてしまう。どこのSoul'd Outだよ


聞き手を引きつけといて、いきなり突き放す、かと思ったら実は「パッパッパー」はグラウンドの選手入場時の入場音に見立てたものとその後に気付かされる。


煙る蒸気喧騒の目、登場するピンチヒッター、「あれはきっとパンダヒーローだ」という観衆の声、


パッパッパーの音で区切られながら情景描写を挿入することで徐々にその情景が浮かび上がってくる。ここにも言葉の映像演出センスが光っています。
それが曲の流れに自然に組み込まれており、初見でもすんなり言葉が頭に入ってくる、そして何より気持ちがイイ。
歌詞カードをよく読むとたしかに色々な伏線が張られているような歌詞ではあるのですが、そんなことはどうでもよくなるくらい言葉が歌詞として完成されている、そんな素敵な曲でした。




ハチの遺作「Christmas Morgue」


動画のリリース時期的にはパンダヒーローよりも前なのですが、OFFICIAL ORANGE発売後の発表だったためCD収録はなかった曲。
そのため「Persona Alice」以降ハチ名義単独で発表した作品で唯一どのCDにも収録されていない楽曲(のはず)


音の使い方、雰囲気などが今では懐かしい昔のハチの姿が意図的に作り出されています。もうハチ追っかけをしていたボカロ愛好者からしたら涙がちょちょぎれるような楽曲


「Morgue」とは身元不明の遺体を安置する場所とのこと。
過去のハチを葬り去ったのか、といらぬ深読みをしてしまいそうな楽曲でしたが、今ではその深読みがあながち間違っていなかったのだなぁと思わされます。


前へ進むために、自らを葬り去ったハチはこの曲を最後に新曲の投稿がなくなり、2012年2月からは米津玄師として作品を制作するようになりました。





そしてボカロとの別れへ


そんなChristmas Mogue以来2年間ボカロ新曲をリリースしなかったハチが2013年に満を持してボカロ新曲を投稿しました。
それまでどちらかと言うと第三者的な語り手に徹していたハチが、初めて自分自身の思いを楽曲の中で打ち明けたような作品で、本当に心を揺さぶられました。


にしてもやっぱり絵が上手い。。ボカロごとの描き分けがすごいなぁ


こんな感じで文章でなく楽曲で自分の思いを語るところが本当にボカロPらしい別れだなぁと思わされます。


バイバイもう永遠に 会えないね
なぜかそんな気がするんだ そう思えてしまったんだ
(ドーナツホール歌詞より)


うおぉおぉお、、、つれえぇええ・・・・・(´;ω;`)


随所にボカロへの敬意と愛情がにじみ出ている言葉と、テンポの良い曲調とのコントラストが素晴らしい。
こういう作り手の思いや正直な感情が表現された作品というのは本当にグッときてしまいます。


そしてやはりChristmas Morgueで見せてくれたハチの姿はなく、それがかえって過去からの決別を色濃く印象付けているように感じます。

さよならハチ・・・・














2017年 ハチが新曲を発表




えぇえええ・・・・(((((゜゜;


2017年のマジカルミライ(年に1度幕張メッセで開かれるボカロのライブイベント)のテーマ曲にハチ名義で「砂の惑星」という新曲を描き下ろしたとのこと。


うわあぁああこれだけでもめっちゃいい・・・!

この数秒、数瞬の間に心をガッチリ捕えるサウンドセンスとメロディ制作力は今の日本でもトップレベルなんじゃないかとすら思ってしまいます。内容は聞き取れないけれど、歌詞の音の響きもよさげ
まだ一部しか公開されていないものの、この曲への本気度が非常に感じられます。


これまで歴代のマジカルミライのテーマ曲はボカロ界隈のトップクリエーター達がプロデュースしてきましたが、この砂の惑星はそれまでバリバリの打ち込み系中心だった過去のテーマ曲とは一線を画した音楽性を提示し、「こんなマジカルミライもいいんじゃないか」と、新しいマジカルミライのありかたをハチが提案しているようにも感じられます。マジカルミライ行ったことありませんが
この曲聴きたいがためにマジカルミライのアルバムを買ってしまいそう・・・




いやでもやはり、、いい曲だけどこれはハチじゃない・・・・、

ハチというよりは初音ミクfeat.米津玄師という感じで、嬉しくもちょっぴち寂しい気分にもなりました。
あの頃のハチとは「もう永遠に会えない」のでしょうか。


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米津玄師がハチの楽曲をカバー

怒涛、どうした米津玄師。


今月リリースのピースサインというシングルのカップリングに「ゆめくいしょうじょ」という曲が収録されるのですが、これは「沙上の夢喰い少女」というハチのボカロ曲のセルフカバーだそうで。


この曲は以前米津玄師のライブでも披露されていたのですが、その時は巡音ルカバージョンそのまま、といった感じでしたがタイトルが変更されているところをみるとかなり大幅なリメイクがされるものと思われます。


それはそれで楽しみなのですが、やはり以前のハチサウンドの雰囲気をそのまま今の米津玄師が歌ったらどうなるんだろうというような気持ちもあります。


にしても、今の米津玄師の立場を考えるとボカロ時代の活動など黒歴史化しかねないとすら考えていたのですが、それどころかかなり積極的にボカロ時代の自分を今の米津玄師ファンへも届けようとしている向きがあります。

それはボカロへの恩返しなのか、そんな義理堅さも感じられる一面も米津玄師の魅力の一つなのかと思います。

これからも米津玄師、そしてハチの動向に目が離せません


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まとめ:米津玄師とハチは別人か

これまで3回にわたってハチの記事を書きました。自分でもバカじゃないかと思うほど長い文章になってしまいました。


色々ハチの音楽を聞き直して感じた彼の魅力は、その時々によって彼自身の環境の変化に合わせながら音楽が変化していったこと、そして何よりその時々で人の心に残る音楽を生み出し続けていたことにあると思います。


他の有名ボカロPではこのような音楽性の変化のようなものはあまり感じることが出来ません。


それは様々理由があるように思うのですが、ひとつにそもそも有名になるボカロPは自分の得意な音楽性を熟知した上で作品の方向性をセルフプロデュースしている部分にあると思います。


有象無象がひしめき合うアマチュアネット音楽世界の中で無名から這い上がろうとするには、単純な音楽ガチンコ勝負での技術の高さが求められます。そうでもない副次的な要因が作用した場合(例えばサムネイルと曲名が秀逸であったり、第三者作成動画にピックアップされたり、、)もありますが、やはり技術力と経験値の高さはどうしても必要に感じます。


しかしハチは、その独特の世界観で不完全ながらもボカロ愛好者を魅了し、そこから多くの人と出会い、さらにスキルを磨き上げ、音楽を変化させていきました。


しかしその過程で生まれた作品たちもそれぞれが魅力的で、ひとつひとつが異なる光を放つ作品のように感じます。


そこには時間軸と並行した単純で一軸的な成長という言葉では語り得ない、その時々のハチの顔がありました。
もし過去の作品と現在の作品を横に並べて明らかに過去の作品が見劣りするものであれば、それは一人の人間の成長という言葉で語ることが出来るでしょう。


しかし米津玄師とハチの楽曲をならべてみても、どうしてもそのような成長という言葉が当てはまりそうにもありません。

それらの楽曲群を聞いていると米津玄師とハチという二人の人間の像が透けて見えてくるような気さえします。

考えると、2017年の米津玄師はそんなハチとの共作の手段を模索しているように感じます。

2017年、もう一度ハチの曲を聞いてみると、軽い気持ちでブログを書き始めたらこんな長文をだらだら書いてしまうくらいの新しい発見があると思います。ヨ

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