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米津玄師とハチ 別人説1

米津ケンシ


今や「米津さんサイコー!!え?ボーカロイドってなに??」なんて言う小・中学生がうじゃうじゃいそうで戦慄しています。

「初音ミク聞いてる人周りにいたけどみんな暗くてキモかったww ああいう人たちはさぁ、米津さんとかの流行りの音楽聞いたほうが絶対いいのにwww」なんていう女子高生がロッキンのTシャツにタオルを纏って今年もフェスに向かうに違いない。いずれも偏見ですが。


ボカロ界という混沌の輪廻の中から多くのPがメジャーの世界への解脱を繰り返していた中、彼を最たる成功者と呼ぶのに異論を唱える人は少ないと思います。
新曲が出るたびにジャンル問わず大型タイアップがかかり、中田ヤスタカやRADWINPSからラブコールされる、自分を含めボカロ時代から彼の音楽をリアルタイムで聞いてきた人たちでも、こんなことになることを予想できていた人などいるのでしょうか。


米津玄師の人気についてと考えるのは未来の記事にあずけて、あえてこの2017年に「ハチ」の作品を通じて自分の視点から彼の足跡を辿ってみたいと思います。
ハチの作品を聞けば聞くほど、米津玄師とハチは別人だ、と思わざるを得ません。


記事を書くために当時の音楽を聞き直していたらいろいろと思い出してしまい、とても一回で書ききれない量になってしまったので、いきなりですが彼がボカロ時代に出した2枚のCDを区切りに前編(1枚目のCDが出るまで)後編(2枚目が出るまで)に分けてブログを書きたいと思います。





ハチ音楽の特徴
異彩を放っていたハチ作品。その特徴を独断と偏見で挙げると

・世界観が具体的で起承転結のはっきりした物語
(それゆえに曲中の歌詞では説明しきれないため、動画と投稿者コメでの補完が必要になる)

・トチ狂ったドラム

・ゴキゲンなグロッケン(的な金属?)音


があげられると思います。これらは時代が進むに連れてどんどん変質していったのですが、ひとまずこの「1」のブログで触れる1stアルバムリリースまでは少なくとも基軸を担っていた要素でした。
※「いやいや、彼の特徴はナイスな歌メロだ!ベースラインだ!」という異論は様々認めます


そんな彼は2009年、突如として降臨し、2ヶ月ほどの間にボカロ界隈の最重要クリエーターの一人となりました。






得体のしれないやばい何かがやってきた


それは突然、ニコニコのランキングに現れました。顔の塗りつぶされたミクっぽい謎のイラスト。動画再生直後の冒頭にいきなり語られる謎のストーリー。
気になってホイホイクリックした人の多くがこの投稿者の「ヤバさ」に気づいたと思います。


お世辞にも綺麗に仕上がったとは言いがたい音、耳に残る不協感、ガリッガリに中低音を削られたカサッカサのミクの声。
でもまるで剃刀の刃を肌すれすれまでに押し付けようとしてくるような音楽。何だ、なんかこの人やべえ。


しかも動画はペンタブを持っていないのでマウスで描いたと。。なんだこの異常表現欲求者は
普通ネットに自作のイラスト動画を上げようと思った時点でペンタブが無かったらあきらめるか買うだろ。


その表現欲求たるや、河原で拾った全く興味のない熟女モノのエロ本を使って半べそで自慰する中一男子の性欲のごとし。
何からなにまで規格外のヤバさにボカロ界隈も当時ようやく普及しきったTwitterでざわついていたような記憶があります。
なんか去年からはいきなり踊りだしたりと、表現に対する貪欲な姿勢は本当に一貫しています


彼の作品を聞いて考えるのは、彼の創作とは頭の中に描きたい確固たるイメージがあって、それらを絵なり音楽なり物語を駆使しながら現実の世界に実態を伴った形として描き出す作業だったのではないかということ。
このPersona Aliceの持つヤバさはそんなことを考えさせてきます。


音楽に限らず、意図的に人に違和感や不協感を与えて印象づける手法というのはありますが、それらは逆にその世界の基盤となるルールや規律を理解しなければ表現できません。
ルールを破るには、そもそもルールを知らなくてはなりません。


しかし彼の音楽から漂うヤバさは、どうもそういった計算の上で意図的に作られたものとは違う質感を纏っているように感じます。


彼のイメージを表出させる作業は、頭のイメージに近い音をパソコンソフトから探し出し、キーボードを一音一音叩きながら近い音階を見つけて、つなげて、作りあげたような印象を受けます。
そこでは世間のルールや規律などは棚上げされ、ただただ彼の思い描く「イメージ」を頼りに音を探り探り作っていった、そんな気がしてなりません。


彼の頭の中のイメージを現実世界に実態として出現させるための彼の創作活動は、彼の世界の純度を限りなく保ったままの作品を産み落とすことを成し遂げ、その作品は多くの人に衝撃を与えました。
※あの特徴的なかさっかさの初音ミクの声もMIXが上手く行かず中低音域をオケが専有してしまうため、それでも声を聞かせるための苦肉の策として試行錯誤の末に生み出されたものではないでしょうか。






得体の知れない何かがこちらに近づいてきた!


そんな彼が放った次作、Persona Aliceから1月とたたずにリリースされたこの作品はまた違った衝撃を与えました。

特徴であるテキストの多い物語、ドラム、グロッケンはそのままに、前作とは打って変わったハイテンポで疾走感のある熱いメロディに「こんな振り幅を持ってるのか!」と思い知らされました、前作ではまだ身を丸めて姿を見せようとしなかった得体の知れない何かが、いきなり超高速でこちらに突っ込んできたような。


いや、それ以上にここまで曲調を変えながらも全くぶれない彼らしさにすごさを感じました。表層は変わってもその奥にある粘着質でどろっとした作品の質感が揺るぎなく存在感を示しています。
これはその後も毎回異なる雰囲気の作品を発表し続けた彼の作品どれにも共通しており、それがなんとも言葉では語りづらい「ハチらしさ」を形成していました。



この作品でさらに多くのファンを獲得し、約二週間後にさらに発表した新作「結ンデ開イテ羅刹ト骸」ではカルト的な盛り上がりを見せ、一気にニコニコ動画の最重要クリエーターの一人となりました。
その間Persona Aliceから2ヶ月余り。コイキングもビックリの滝のぼり出世でした。
(※PersonaAliceはボカロ初投稿作品ではないのですが、初ボカロ作品投稿からカルト的な人気を得るまで数えても2ヶ月程度でした)








ハチ、CD出すってよ
その後も立て続けに短いスパンで自身作のPV付きで作品をリリースし続けました。
その間にマウスでの制作スタイルを諦めて手書きスキャンに移行したり、ニコニコのアニメーション作家とコラボしたりと活発に活動を行っていきました。


音楽も「Qualia」あたりから徐々に逆再生音や変拍子などよりアンビエントやポストロック色の強い音の作り方を駆使するようになり、曲の表現幅もどんどん拡張されていきました。




そして、ついに全ボカロ愛好者待望の瞬間が訪れました。

謎のベールに包まれていたクリエーターハチの1stCD発売。即売会イベントへの参加。


アルバムの構成自体は9曲と小ぶりで歌詞カードもないミニマム設計ながら、未発表曲3曲に加えて既存曲Persona Alice、THE WORLD END UMBRELLA(収録名はWORLD'S END UMBRELLA)をアレンジ、歌詞、メロディを大幅にリメイクした肉厚な内容。本人曰く「究極の9曲」


即売会では見たこともないほどの長蛇の列ができ、噂では3000枚を売り切ったとか、そんな話まで出るくらい異常な盛り上がりでした。
即売会開場前に並んで真っ先にブースに行っても買えるかどうかという盛況っぷり、ちなみに私もその即売会は一般で行っていたのですがその列の長さに圧倒され後日とらのあなで買いました。


このアルバムの聞き所は何と言ってもむせ返るほどの「ハチ感」。ハチ汁の原液を一気飲みするような内容です。
自分の中にある世界観をそうすれば曇らせることなく頭の中の彩度を保ったまま世に送り出せるのか、ともがき苦しんだ彼の汗と爪痕が感じられる内容になっていると思います。


BUMP OF CHICKENのJupiter以前の初期のアルバムは藤原基央のセンスに藤原を含めたバンド力が追いつかず、サウンドとしては荒削りなものでした。しかしそれでも何か身体の奥に迫ろうとする凄みを感じさせられ、ファンの間でも未だに初期のアルバムは非常に根強い人気があると聞いたことがあります。
バンドが一人の天才の世界を表現するためにもがきあがいて作り上げた作品には、言葉では言い表せない激しい感情を聞く人の心の深い部分へ突き付けてきます。


サウンド的にもよく引き合いに出されていたハチ音楽とBUMP OF CHICKENなのですが、このアルバムにもBUMP OF CHICKENの姿との共通項を感じずにはいられません。


自分の世界観が先に行き過ぎてしまっていて、それをなんとか手の中にある道具を駆使し、試行錯誤と格闘を繰り返しながら貪欲に自分の世界観の表現を追い続けた天才ハチ。


彼はその後多くの人とのふれあいの中から更に自分の表現を深く洞察し、音楽表現も変容させていくのですが、この作品はそういう意味で「純度100%なハチ」の試行と格闘の軌跡を感じることが出来ます。




くっそ長くなりましたが、ここまでを前編「ハチの出現から花束と水葬リリースまで」という風にして区切りたいと思います。

ノープランで書き進めたらありえない長さになってしまいました。。次回の第二編もまた曲を聞き直してノープランで書き始めると思うのでどれくらいの長さになるのか予想できません。(これより長くなるのか、意外とあっさり終わってしまうのか・・・)


最後に、自分が花束と水葬で一番好きな曲を貼って終わりにします。
もうこの時点で絵がめちゃくそ上手いですね・・・


次回は後編「花束と水葬リリースからOFFICIAL ORANGEリリースとドーナツホールまで」

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